絶望耐性を会得した ─ネガティブが“ふつう”だった僕の取扱説明書

絶賛絶望中ですが何か?そんな絶望まっしぐらの時代を長い間生き抜いてきた私が今回は絶望を題材に記事を書いてみる事にした。このタイトルを見てやってきたあなたもきっと何かしらの思いがあるはずです。よければ見ていってください。

絶望耐性を会得した ──ネガティブが“ふつう”だった僕の取扱説明書

思えば僕は、わりとずっと絶望してた。
「人生ってそんなに良いもんじゃないよね?」が、デフォルト設定。
ポジティブ教には入信できなかったけど、気づいたら絶望に強くなってた。
今日はその“雑に強くなるまで”の話を、肩の力抜いて書く。


1) 絶望は敵じゃなく、生活音だった

小さい頃から、なんかうまくいかない日のほうが多かった。
テスト返却、部活のベンチ、進路、仕事、恋愛、将来。
ぜんぶ一気に来ると胃がキュッとなる。
でもある時からこう思うようになった。

「絶望って、冷蔵庫の“ブーン”みたいなものじゃない?」

消そうとすると気になる。放っておくと、背景になる。
無くすより一緒に暮らすほうが現実的だ、と。


2) 受け入れたくないのに受け入れてた

「認めたら負けだ」と思って、最初は全力で拒否してた。
でも、拒否ってる最中の僕の行動は絶望ベースなんだよね。
予定を減らす、寝る前に不安を咀嚼、SNSで比較してしまう。
つまり拒否しながら受け入れてる状態。
だったらいっそ、ちゃんと受け入れて、持ちやすい形にするほうが早い。


3) 絶望の波に立つまでの小さいコツ

魔法はない。けど現実的な小技はある。
ネガティブがふつうの人向け“波乗りメモ”。

  • 名前をつける
    「最悪だ!」じゃなく「これは“月曜昼のモヤ問題”」みたいにラベリング。
    名前があると、脳は処理対象として扱える。

  • 最悪シミュレーションを“最後まで”
    いちばん悪い結末を書き切る→その対処を3行でメモ。
    「書けることは、だいたい生き延びられる」。

  • 5分だけ寝かす
    反論メール、退職願、長文ポストは5分後の自分に決裁を回す。
    5分で沈む波、けっこう多い。

  • 体を先に動かす
    思考は重い。先に肩回し+深呼吸+白湯
    体温が50分の1くらい心をマシにする。

  • “1分着手”
    「履歴書を完璧に」じゃなくファイル名を作るからスタート。
    小さく動く=波の上に“立つ”。

  • ユーモアを微量投与
    「今日の不運、監督誰?」くらいの茶化しで脳の硬直をほどく

  • 観測範囲を縮める
    世界や他人の成功をいったんミュート。
    自分の半径2mだけを整える。

  • “微差メダル”を集める
    朝起きた、シャワー浴びた、返信した。
    小さな実行を記録に残す。証拠が貯まると、波が来ても立ち直りが早い。


4) パンデミックや震災ニュースの夜をどう越えたか

正直、怖かった。情報に触れるたび胸が重くなる。
でも、あの時守ったのは**“生活の最低線”**。

  • 固定のリズム:起床・食事・散歩・就寝を毎日同じ時間

  • 情報の窓口を1つに:ニュースは1回10分、1日2回まで。

  • 人間の気配:短くても誰かと声を交わす(コンビニ店員さんでも良い)。

  • 手の届く支援:自分ができる寄付や手伝いを小さく

  • 眠れない夜の儀式:湯船、白湯、スマホを部屋の外。
    「大事なことは明日の自分が決める」。

他の誰かが打ちひしがれている時、自分だけ平気ぶるためじゃない。
自分の足場を確保しないと、誰のことも支えられない。
その現実を飲み込んだら、罪悪感より持久力が残った。


5) 絶望を“味わい切る”と、ちょっと薄まる

逃げ回るほど、背後から追ってくる。
ある日、意図的に**“味わい切る日”を作った。
布団の中で、心配・怒り・悔しさ・虚しさを
順番に感じ切る。
泣けたら泣く、無音で天井を見る。
30分後、味は残るけど、濃度が落ちてた。
たぶん、人間って
消化器官みたいに感情も消化**できる。


6) それでも日常を回すための“絶望耐性レシピ”

仕組みに頼ろう。人は気分で動けない日が普通にある。

毎朝

  • 同じ時間に起きる/カーテンを開ける

  • 白湯→深呼吸3回→肩回し10回

  • 今日の1行タスクを書く(例:履歴書の“学歴だけ”埋める)

  • 情報チェック10分×2回まで

  • 散歩5分 or 窓を開けて空気を入れ替える

  • スマホは寝室外/湯船に浸かる

  • 3行ログ:できた/助かった/明日の一歩

  • 眠れないなら、明日の自分に手紙(3行でOK)

ポイントは「ちょっとだけ」。
絶望は重い。軽い行為でしか動かない。


7) エピソード三つ(雑にリアルなやつ)

  • 不採用メール100通目の夜
    画面を閉じて、靴を履いて、夜のコンビニへ。
    おでんの湯気と店員さんの「温めますか?」で、世界に戻ってこれた。

  • 友達の結婚式に呼ばれなかった日
    嫉妬と情けなさで胃が痛い。
    とりあえず部屋を掃除。床が見えると、心に1畳ぶんの余白ができた。

  • 大事な人との別れの朝
    何もできないから、ベランダで靴を磨いた。
    泣きながら。でも、手が“前に進む音”を出してくれた。


8) “強くなる”より“持つ”にシフト

「折れない心」が欲しかったけど、そんな日はあまり来ない。
代わりに覚えたのは**“持ち方”**。

  • 片手で持つな、両手で持て

  • 一人で持つな、道具を使え(仕組み・人・サービス)

  • 長く持つな、置け(休む)

強くなる≠折れなくなる。
折れても戻れるのが、僕にとっての“絶望耐性”。


9) よくある質問(自分へのツッコミ)

Q. それでも沈む日は?
A. ある。堂々と沈む。沈み方を安全にする(連絡1本・湯船・睡眠)。

Q. 前向きになれってこと?
A. ちがう。前向き“も”持つ。後ろ向きと両方持つ。バランス。

Q. 努力不足じゃ?
A. なんでも根性論で片づけると、生き残りにくい
仕組みと助けと休憩で、現実的に持久戦をやる。

※いま危険なレベルでしんどい人は、身近な専門窓口や信頼できる人に早めに連絡を。
これは“ひとりで耐える教”じゃない。


結論:絶望は“消す”対象じゃなく、一緒に暮らす住人

ネガティブは僕の初期設定。
でも、住み分ければやっていける。
冷蔵庫の“ブーン”が聞こえる夜も、湯気の立つ白湯と、床一畳の余白があれば、なんとかなる。

今日の最後に、よかったらこれだけ。

今日の1行
「僕は(小さくて現実的なこと)を、(いつ)までに、(こうなったら完了)にする」

書けたらOK。
その一歩は、明日をすこしだけ軽くする。
それが“絶望耐性”の正体だと思う。

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