うつ病の罠:なぜメンタルが不安定な時ほど「騙されやすく」なるのか?詐欺師の手口と自己防衛
皆さん、こんにちは!
前回まで、僕の25年間の壮絶なうつ病経験や、いじめのトラウマについてお話ししてきました。
今回お伝えしたいのは、うつ病やメンタルが不安定な時ほど、人は面白いくらい騙されやすくなるという、僕自身の痛い経験から学んだ真実です。
これは、精神的に苦しんでいる人にとって、本当に恐ろしい「落とし穴」です。
借金地獄の中で飛びついた「甘い話」
一番最初の記事でも書きましたが、僕は完全に騙されました。
「未公開株の絶対儲かる話」とか、「海外の養殖エビへの投資話」とか、普通なら「胡散臭い!」と思うような話に、あっさり乗っかってお金を注ぎ込みました。
当然、持っていたなけなしのお金を全部搾り取られましたけど…(笑えない)
当時の僕は、何とかしてこの辛いうつ病から逃れたい、気持ちを紛らわせたいという思いから散財に走り、結果借金地獄。
そんな中で、「借金があっという間になくなる」「毎月安定したお金が振り込まれる」という話は、もう何も考えず飛びつきたいわけです。
何と言っても、毎日が苦しいんですからね。メンタルもお金も、どちらも常に「何とかしたい!」と四六時中思っている。
まさに、詐欺師たちの格好の獲物です。
詐欺師が「天使」に見える心理
人を騙すことに慣れている彼ら・彼女らは、僕たちのように切羽詰まった人や不安な状態の人に対して、どう接すれば簡単にこちらの毒牙に堕ちるかをよく分かっているのだと思います。
冷静沈着で優しさ満載の声、安心させるような話、柔らかな物腰は、僕からすればまるで天使や神様のように錯覚するわけです。本当はその真逆な存在であるにもかかわらず…。
「あんなにいい人はいない」「自分のような人間を救ってくれる、助けてくれる素晴らしい人だ」
このように、相手にとって都合の良い脳に書き換えられるのです。
例えば、僕のケースで言うなら、詐欺師の女性から「マルくん、疲れた顔してるねー」と言いながら、栄養ドリンクやお菓子を手渡され、「これ飲んで元気だしなよ」「辛い時は私に辛いって言っていいからね。何でも聞くよ」と笑顔を向けられる。
これだけでもう、孤独感満載の僕には効き目抜群です。
極端な話、年齢は10歳以上も離れていて、全くタイプでもないのに好きにさえなりかけているのです。
おそらくこのような心理状況で、特にうつ傾向にある人ならば、コロッと騙された経験があるのではないでしょうか。「藁にもすがりたい」そんな気持ちの時に優しくされると、もうその人に対し抗えなくなるのです。
これはある意味で、心の救いを求めるという点で、宗教的な部分とも似ているかもしれませんね。
親しい人を遠ざけ、他人に頼る「自己防衛」の矛盾
うつ病やメンタルを病んでいる人が騙されやすい理由として、もう一つ言いたいことがあります。
それは、うつ病になると、なぜか「人を遠ざけたくなる」傾向があることです。
なぜか?
うつ病になる前の自分が「本来の自分」として強く心にあるため、今うつ病になっている自分という存在を、特に親しい人に見られたくない、カッコ悪い自分や恥ずかしい自分を見せたくないという意識が働くからです。
だから、できるだけ表面的には取り繕おうとしますが、実際は心が苦しくなるため、「会いたくない」という感覚になっていくのです。
まあ簡単に言えば、自己防衛ですね。「あの人にはこんな姿を見られたくない」「苦しんでる様子を隠し通したい」と思うわけです。
これは、無理に自分を作り続けた結果の悲しい結末だと言えます。本当は苦しくてそんな笑顔でなんていられなかったはずなのに、人前ではいつもの自分を演じなければいけないという物凄いプレッシャーとストレス。この反動がとても大きかったのです。
赤の他人の優しさに陥る落とし穴
このように、うつ病になると自分を隠したくなる症状が出てくるわけですが、それだけに優しさや甘い言葉に弱くなるのです。
しかも、その優しさは、自分と近しい人からではなく、赤の他人のようなあまり関わりのなかった人からの言葉で、簡単にやられてしまいます。
親しい人を遠ざけて、全くの他人の優しい言葉は素直に受け入れるって、凄く矛盾していますよね。
でも、全くの他人だからこそ、元々の自分を知らないからこそ、素を出せやすいというのがあります。そこに、詐欺師や悪意のある人につけ込まれる「怖さ」という落とし穴があるわけです。
だからこの心理状況を理解して、うつ病になった自分を責めるのではなく、まずはそんな自分を許すことが、第一段階として最も重要です。
なぜならば、そのウィルスとも言えるうつ病になる考え方が、自分自身の中に実ははじめから存在していたのですから。
ここを解除して取り除く、または緩和させていかないと、うつ病の完治は難しいです。
これが一時的なストレスとかで、その状態が無くなったとかならば、治る可能性は高いです。問題が取り除かれれば、病気は回復しやすいですからね。
ですが、元々自分の中にあった「うつ病になりやすい考え方」があった場合は、そう簡単に治せるものではないのです。
だから、心の病といえるうつ病は、風邪やインフルなどと比べ物にならないくらい、長期的に見ても厄介なのです。
もちろん、心のサインではあるわけですから、「厄介」という言葉だけでマイナスのように捉えすぎるのも違います。
この根本原因に気づいて解除していく作業に関して、次回の記事で詳しく書いていきたいと思います!
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