最近はコロナ渦もあり、あまり訪問販売的なものは減りつつありますが、それでもまだしつこいのがインターネット勧誘業者と新聞勧誘員。今回は、昔新聞勧誘員の怖いくらいの小芝居にまんまと引っ掛かり契約してしまった話をします。
新聞勧誘員の怖いくらい上手い小芝居に乗り契約した話
ピンポーンとインターフォンが鳴り、ドアを開けるとそこに立っていたのは、新聞勧誘員だった。おにいさん!3か月だけ、お願い、お願いとまるで神様にすがるように、手を合わせ拝み倒してくる。
手には洗剤を持っており、もうハナから契約させようという意図しか感じない。まあそれが仕事だから当たり前なのだろうけれど、こういうのは即断る。
しかし、この時の新聞勧誘員は、少し違った。
ドアを開けると、いきなり世間話をし始める。全くの初対面であり、相手が何者なのかも分からない。
だが、50代くらいのその男は、まるでずいぶん前から知っていた相手のように、私に向かって話をしてくる。
私もいつの間にか、その男と隣近所で長年知り合いだったくらいのノリで会話をしていた。この時点で、もうすでに私は彼の術中にハマっていたのだろう。
しばらく談笑した後、男は最近面白いことあります?と聞いてきた。私は即うーん景気も悪いし、何かあまり面白いことないですね~。
そういうと、男はプロ野球は好きですか?と聞くので、はい好きですよと答える。
じゃあと男は胸ポケットから、野球観戦のチケットを取り出す。たまには、これでも見て楽しんできて下さいよと言う。
私「いや、いくら何でも今初めて会ったばかりの人にこんなの貰えないですよ。」そういうと、男はそんな事気にしてなくていいですよ。
これも何かの縁ですから、私からのプレゼントですと言う。私「そう、ですか~」
しかし、男はここからようやく本性を現す。
それでなんですが、私もこのままおにーさんと縁が切れるのは辛いので、縁を続けるためにも私の方にもおにーさんからサインいただけるとありがたいのですが、と言う。
そのサインというのが、新聞契約の紙だったわけです。
そこでやっと私も話が繋がり、いや今生活厳しいので新聞は取れないですと断る。
新聞勧誘員一旦帰る。しかし再び舞い戻る怖すぎ。
こうして、しばらく取って取らないの押し問答をした後、ようやく諦めたっぽい新聞勧誘員は帰っていった。
いやー思わず話聞いちゃったよ。ふぅー危なく契約しそうになった。
そう胸を撫で下ろしたのもつかの間、15分もしないうちに再びインターフォンが鳴る。気持ち疲れていた私は、ゆっくりとドアを開ける。
すると、そこにはまた別の50代くらいの男が立っていた。男は何か神妙な面持ちで、私にこう告げる。
男「おにーさんあの俺さっき来た男の知り合いで、彼の兄が今病院に入院してて結構な治療費が必要みたいなんだ」
男「それでおにーさんが契約してくれれば、少しは彼も助かるだろうから何とか契約してくれないだろうか。それと本当はこの地域を彼の兄が回る予定だったんだけど、骨折してしまってその代わりに弟の彼が回る事になったんだよね。」
男「だから助けると思ってさ。人助けは気持ちいいよ。」と言う。
私「はぁ、そうなんですか。大変ですね。でも、ちょっと私は関係ないと思うので」と言うと、男は「そんな冷たい事言って、彼のおにーさんがあなたの枕元に立つかもしれないよ」と言う。
私「いや、骨折ですよね?全然生きてますよね。何言ってるんですか?」だんだん冷静さを取り戻してきた私を見て、焦ったのか男は、さきほどの男性を呼び、小芝居を始める。
男「さきほどはどうも」と言いながら、目に涙を浮かべている。そして、突然号泣。兄が明日をも知れぬ状態で私が頑張らないと兄が兄が~と言うと、もう一人の男もぐすっぐすっと半泣きのような表情を浮かべ、どうか彼を助けてやってくれ。
こんな兄想いの弟の力になってやってくれと二人で私の家の前で土下座。
50代にもなる男二人が号泣し、土下座をする。
流石に子芝居と分かっていても、ここまでされたら断れない。分かりましたよ。でも、3か月だけですからね。
二人「ほ、本当ですか?ありがとうございます」そう言いながら、熱い抱擁を求めようとしてきたので、それは断固として拒否しましたw
そして、お約束の洗剤とプロ野球観戦のチケットを貰いましたとさ。めでたしめでたし。
新聞勧誘員怖い。作り話もここまで本気でやられると
正直どっかの劇団員かと思うくらい、芝居がかっていて、契約のために涙までする根性には、流石に脱帽。
土下座も平気だし、半沢直樹もびっくり。
しかし、それ以来新聞勧誘員が来ても、一切話を聞くことは無くなりました。
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